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アルパジョンが大切にしてること、そして未来へ。「森のアルパジョンを目指して。」 代表取締役 益野英昭

ホールケーキの力

私にはこの20年間大切にし続けてきたことがあります。それは各店舗にホールケーキだけのショーケースを置き、お客様にホールケーキの魅力を伝えていくことです。ホールケーキはケーキの中でも特別な存在です。テーブルの真ん中に置かれ、家族が取り囲んでアニバーサリーを祝い、みんなをつないでゆく。ホールケーキは愛する人のためにあり、それを作り出していくことこそ幸せなことだと20年前に私は気づいたのです。ホールケーキを囲む幸せがもっと広がり、人々の生活になじんでいくことを心より願っています。

スタッフと共に

私はスタッフに最高の環境で生き生きと働いてもらいたいと思っています。スイーツ業界は華やかなイメージと違って徒弟制などが未だに残っており、働く環境や待遇がいいとは言えません。しかし、アルパジョンは業界の常識を変えるべく、率先して働くことを楽しくする環境づくりを目指しています。自慢になりますが、実はアルパジョンをいったん離職しても、環境の良さに気づき再び戻ってくる人が多くいます。他店での経験を活かし、生き生きと働いてくれるスタッフがいることが誇りです。

そして、社員には自分の幸せとともに、さらに大きな世界へ目を向けることを願っています。自分という小さな世界に留まらず、地球視点を持つことで、幸せは自分だけのものではなく、他の多くの人と分かち合えるものになります。アルパジョンでは希望者を募って、海外への研修旅行も実施しています。それは様々な体験を積んで、より広い視野を持って成長してほしいからです。

再生可能エネルギーにかける想い

私は13歳のときにある本を読んだことがきっかけで、地球環境問題に注意を向けるようになりました。その頃の私の頭には、人間の欲望による自然破壊、異常気象、食糧危機からの暴動などが思い浮かんでいました。以来、ずっとエネルギー・環境問題について考えてきました。

アルパジョン各店舗や事務所に太陽光発電を取り入れたのは、当時から抱いていた考えを実行したものです。2012年7月にスタートした、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で買い取ることを国が約束する制度)をきっかけに5,000坪のメガソーラーを作りました。将来的には今の可視光線エネルギーだけではなく、赤外線や紫外線のエネルギー変換も加わり、発電効率が高まっていくでしょう。それに地球規模でのインフラが今後整備されていけば、各家庭が1発電所となるような社会が到来すると思っています。そこでは原発も必要なくなります。

人の幸せこそが一番大切であり、その基盤は地球環境にあります。持続可能なサステナブル社会を実現させるという志を持って、今後も行動していきます。

「森のアルパジョン」という夢に向かって

これまでやってきたアルパジョンの様々な取り組みを、さらに大きな枠組みで融合させるプロジェクトをスタートさせました。コンセプトは「森のアルパジョン」。仙台近郊の広大な森や野原で店舗やカフェはもちろん、再生エネルギーを使った発電施設、いちご畑や小さな牧場など、地域と一体となった複合施設を作ろうと考えています。

発電は、太陽光はもちろん、新しくバイオガス発電を導入します。バイオガス発電は食物の残りかすを原料にメタンガスを発生させ、その熱でタービンを回し発電をする仕組みです。食物のかすは地域の方々に協力いただき、「買い取りコミュニティー」ともいうべきものを作ります。これまで食物の残りかすはお金を出して燃やしてもらうものでしたが、バイオガス発電では逆に燃料の元として買い取られる商品になります。これは地域の人々をつなげ、さらには経済の活性化にも貢献することになるでしょう。

製品や食材、さらにはエネルギーもアルパジョンの自家製。これこそ持続可能な企業活動といえるのではないでしょうか。ここにはアルパジョンが大切にしてきた「人を幸せにすること」の夢が詰まっています。それが今回のプロジェクト「森のアルパジョン」です。皆様もぜひ楽しみにしていてください。

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